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女性ホルモンは筋肉幹細胞の機能維持に不可欠

女性の更年期障害による筋肉の機能劣化についての研究結果が718日、米University of Minnesota Medical Schoolからニュースリリースされた。研究の詳細は「Cell Reports」に掲載されている。

この研究では、卵巣を切除したマウスと筋肉幹細胞にエストロゲン受容体がないマウスの筋肉再生能力を評価した。その結果、筋肉幹細胞(サテライト細胞)でのエストロゲンの喪失またはエストロゲン受容体の遺伝子欠失により、5つの異なる筋肉でサテライト細胞の数が3060パーセント減少することがわかった。減少した細胞では再生や損傷後に新しい筋肉を生成することが難しかった。一連の研究には更年期前後の女性の筋肉生検を行ったフィンランドの科学者との共同研究も含まれており、この結果からは、サテライト細胞の数が血清エストロゲンレベルの変化と強く相関することが示された。

更年期症状に対するエストロゲン補充療法が筋肉の健康維持に役立つことは知られているが、同時に、乳房や子宮内膜などの組織に対するがんのリスクも高まる懸念がある。研究者らは、乳房や子宮内膜の組織に影響を与えずにエストロゲン受容体と相互作用する新しいクラスの薬が、筋肉幹細胞のエストロゲンシグナルを刺激し、閉経後女性の筋肉幹細胞を保護する可能性があると述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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