低酸素誘導因子の活性化による肌のアンチエイジング
2020.04.22
国際部
近年、その存在が発見された低酸素誘導因子を応用した、アンチエイジングスキンケア精神の単一施設盲検無作為化臨床試験の結果が4月19日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。
慢性創傷と同様に皮膚の老化は主要な細胞調節経路の機能不全を特徴とし、低酸素誘導因子1アルファ(HIF 1α)経路と関連している。最近の研究では、HIF 1α経路を調節することで老化した線維芽細胞を若返らせ、皮膚の再生を改善できることが示唆された。今回の研究では、新しいHIF刺激因子(HSF™)ベースのアプリケーションを肌の若返りを目的とした。スプリットフェイス研究デザインを使用して、32人の女性被験者を対象とした6週間の試験を実施し、皮膚の表面プロファイル、皮膚の水分、および経表皮水分喪失、第三者専門家パネルによる写真評価、被験者満足度調査などによりアプリケーションが評価された。
その結果、皮膚の肌理に大幅な改善が確認された。有画像の臨床評価により、特に小じわ、唇のしわ、および目じりのしわに大幅な改善が確認された。また、皮膚バリア機能を維持したままでの、有意な皮膚保湿効果も認められた。被験者の自己申告では94%の満足率を記録し、皮膚科学的関連性の否定的な皮膚反応はみられなかった。研究者らは「このアプローチは審美的および再生医療にも有望である」と述べている。