現在の肥満治療に関する考察研究
2020.09.29
国際部
肥満治療に関して、患者の転帰を最大化するための評価研究の結果が9月23日、「Diabetes, Obesity and Metabolism」オンラインに掲載された。
今回の研究では、肥満治療に関する以下の3つの質問を検討した:肥満の患者に利益をもたらすには、どのくらいの体重減少が必要か。現在の治療法が減量にどれほど効果があるか。エビデンスに基づく研究を使用して患者の転帰を改善するためにどのような戦略を使用できるか。
その結果、生活習慣、食事療法、運動などの現在の肥満治療では、平均5~7%の体重減少が確認できた。食事療法では、低炭水化物食は低脂肪食よりも有意に優れていないことがわかった。長期の肥満管理のために現在米国FDAによって承認されている4つの薬物療法は手術ほど効果的ではなく、生活習慣への介入への併用で約5%の減量追加が得られたのみだった。調査中の2つの新しい薬剤、セマグルチドとチルゼパチドでは、減量の成果を大幅に改善した。肥満治療法(生活習慣への介入、薬物療法、手術など)では、減量の成果に大きなばらつきがあった。今回、ベースラインとプロセスの予測因子を裏付ける証拠が得られたが、これらの予測因子に関連する効果の大きさは小さく、遺伝子型または表現型に基づく個別化アプローチが均一な成功をもたらすことを示す前向き研究はなかった。慢性疾患である肥満には、生涯にわたる「継続的な治療モデル」が必要であると結論された。