ロックダウン中の食事行動と食料購入調査
2020.10.26
国際部
新型コロナウイルス感染症による都市封鎖(ロックダウン)中の摂食行動と食料購入に関するオランダでの調査結果が10月14日、「Appetite」オンラインに掲載された。オランダでは2020年3月15日にロックダウンが実施された。自宅待機やソーシャルディスタンスの徹底などが行われたが、外出制限は他国と比較してそれほど厳しくなかった。今回の研究の目的は、ロックダウンから5週間後のオランダの代表的な成人サンプル1030人における摂食行動と食料購入の変化を評価することだった。
その結果、ほとんどの参加者で食事行動(83.0%)または食料購入(73.3%)に変化がなかった。変化があったと報告した参加者では、太りすぎおよび肥満の人で不健康な食事をする傾向があった。教育レベルが高い人も、教育レベルが低い人と比較して不健康な食事をする傾向があった。また、若年者に比べ、高齢者の方が食事行動に変化がないと報告した人が多かった。食料購入では、肥満の参加者でより多くのポテトチップスやスナック菓子、ノンアルコール飲料を購入する傾向があった。以前に食事配達サービスを利用したことがある人のうち約3割がより頻繁に食事配達サービスを利用していた。
今回の結果では、食事のルーチンの持続性が確認された。変化を報告した参加者では大きな社会人口統計学的差異が観察された。特に太りすぎや肥満の人にとって、ロックダウンは健康的な食事の選択に大きな打撃を与えていた。さらなる研究で、これらの観察の根底にあるメカニズムを解明する必要があると結論された。