全身性免疫炎症指数のSIIがニキビの炎症重症度分類にも有用
2022.08.16
国際部
全身性免疫炎症指数がニキビ重症度判定に有用かを検討した研究結果が8月11日、「Journal of cosmetic dermatology」オンラインに掲載された。
全身性免疫炎症指数 (SII; 好中球とリンパ球の比率と血小板数を掛け合わせて計算) と尋常性ざ瘡(ニキビ)の重症度との関係、およびそれがカテゴリー別のニキビ重症度を決定する実用的な方法として使用できるかどうかを調査。
今回の研究では、被験者212人(15~30歳)をGlobal Acne Grading System (GAGS)、Comprehensive Acne Severity Scale (CASS)、および患者中心の Acne Severity Scale を含む、ニキビ重症度スケールで前向きに評価した。患者はGAGSスコアにより、健常者(53人)とニキビ重症度に従い軽度(44人)、中等度(86人)、および重度(29人)にグループ化した。身体検査と同時に得られた被験者のヘモグラムデータも分析に使用した。
その結果、好中球数は非炎症性病変を有するニキビ患者または健常者よりも結節嚢胞性ニキビ患者で有意に高かった。 SII は、非炎症性および炎症性の両方の軽度の病変を持つ個人よりも結節嚢胞性ニキビ患者で有意に高かった。 SII は、GAGS、CASS、および結節嚢胞性病変の数と弱い有意な相関が見られた。ただし、SIIを含むヘモグラム パラメーターのいずれも、GAGS による重症度分類と違いはなかった。SII は、特に結節嚢胞性ニキビ患者の炎症重症度を反映する、信頼できる炎症マーカーである可能性がありが、ニキビ重症度の分類には役に立たないと結論された。