キノコ抽出物を添加した洗浄ジェルの化粧品特性と安全性を評価した論文が8月10日、「Molecules」オンラインに掲載された。
近年、自然派化粧品の人気が高まっている。今回は、化粧品業界では植物成分ほど広く使用されていないキノコ抽出物に焦点を当てた研究を実施。Grifolafrondosa（マイタケ）、Hericiumerinaceus（ヤマブシタケ）、Ganoderma lucidum（レイシ）の水抽出物（water extract)の抗酸化特性、生物活性物質の含有量、皮膚細胞毒性、経皮水分蒸散量制御能、皮膚の水分補給とpHへの影響、および皮膚刺激性についてテストした。
その結果、テストされた3種の抽出物はいずれも、線維芽細胞とケラチノサイトの活性酸素種（ROS）量を増加させなかった。3種の中ではマイタケ抽出物が最高量のフラボノイドとフェノールを含有していた。また、活性酸素消去能の指標となるDPPHとABTSラジカルで最も効果的な消去も確認された。洗浄ジェルにこれらのキノコ抽出物を添加すると、化粧品ベースの製品との比較で、皮膚への刺激効果が減少し、フリーラジカルの細胞内生成が少ないことが認められた。さらに、皮膚のpHバランスと水分補給にプラスの効果があり、経皮水分蒸散量が減少することも示された。
