ニキビ患者の涙液膜の不安定性を調査した研究結果が9月23日、「Arquivos brasileiros de oftalmologia」オンラインに掲載された。

今回の研究では、尋常性ざ瘡（ニキビ）患者の眼の臨床変数を健常対照者と比較した。これらの変数には、涙液層の破壊時間、マイボーム腺の脱落率などが含まれた。対象はニキビ患者73人の73眼と健常対照者67人の67眼とした。すべての参加者で非侵襲的涙液層破壊時間テストによる涙液層破壊時間を評価した。マイボグラフィーを使用して、マイボーム腺の脱落率を特定した。角膜と前房のパラメーターはScheimpflugカメラによる画像で測定した。主観的評価は眼表面疾患指数アンケートで行った。

その結果、ニキビ患者グループと健常対照グループの非侵襲性第一涙液層破壊時間は、それぞれ4.7±2.8秒、6.4±3.5秒で、有意差が見られた。測定期間中の任意の時点で涙液層破壊が見られた眼の数も、ニキビ患者グループで有意に高かった。ニキビ患者グループの平均マイボーム腺脱落率は、上まぶたで33.21±15.5％、下まぶたで45.4±14.5％、健常対照群グループでは、これらの率はそれぞれ15.7±6.9％、21±9.7％だった。上まぶたと下まぶたの両方ともにマイボーム腺脱落率はニキビ患者グループで有意に高かった。