世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

SCIENCE

【インタビュー】美容医療とエステに学ぶ表層ピーリングの専門技術と市場価値

※本記事は、美容および医療に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療・処方を推奨するものではありません。掲載された内容は、信頼性の高い情報に基づいて執筆されていますが、すべての症状や体質に当てはまるとは限りません。治療や処置をご検討の際は、必ず医師の診察・指導を受けたうえでご判断ください。また、医薬品や医療機器の使用に関する詳細については、厚生労働省のガイドラインや各製品の添付文書をご確認のうえ、専門家の指導に従ってください。掲載内容に基づいて生じた不利益・損害等について、編集部および筆者は一切の責任を負いかねますことを、あらかじめご了承ください。

Chahida Jbouri Hammou-Amar氏は、Skinpeelのトレーナーであり、アンチエイジング医療分野で活動する医療従事者向けの事業開発コーチでもあります。彼女は、なぜ表層ピーリングの習得がすべての顧客、すべてのフォトタイプに応える上で欠かせないのかを語ります。
執筆:Alizée Boschin

表層ピーリングに関心を持つようになったきっかけ

Chahida Jbouri Hammou-Amar氏
表層ピーリングに関心を持つようになったきっかけは何ですか

医薬情報担当者の資格を取得する準備をしていた時です。この資格はレベルVIに相当し、ヘルスケア製品に関する確かな知識を習得することを目的としています。医薬情報担当者(またはメディカルリプレゼンタティブと呼ばれる職種)は、次のような役割を担っています。

  • 医療従事者に向けた医薬品や医療機器のプロモーション
  • 効能や作用機序、関連するプロトコルの説明
  • 研究機関と医師との間における明確で倫理的な情報伝達

この資格取得の一環で、私は黒人の皮膚に生じやすいケロイド性や肥厚性瘢痕についての研究論文を作成しました。
また、その当時に扱っていた製品の一つは、日光角化症に効果を示し、ピーリングや角質除去の作用を持っていました。当時のピーリングは皮膚科医のみに限定されており、機械的なピーリングが主流で、化学的なピーリングや表層レベルのものはほとんど語られていませんでした。私はその分野により深く関心を持つようになったのです。

専門性の習得と研鑽

ピーリングの専門性はどのようにして身につけたのですか

医薬情報担当者として、私は医療分野やその進歩に直接触れる機会に恵まれました。それによって次のような経験を積むことができました。

  • 特定の課題(ケロイド性瘢痕、黒人の皮膚)への専門的な対応
  • 美容領域で未だ満たされていないニーズの把握と、それに応えるための取り組み(例えば、あらゆる肌タイプに適用できるピーリングの普及)

私は医薬品の作用機序、効果、特定の適応症について詳細に理解を深めました。この専門性によってピーリングにおける有効成分を探求し、肌のタイプごとに最適な成分を分析・選択する力を得ました。その後、独立して活動を始め、イタリアの研究機関で研修を重ねました。さらに医師による研修も受け、表層からより深いレベルまで幅広いピーリングを学びました。
皮膚科の専門家であるDr. Baspeyrasがある時にこう語ってくれました。「結局のところ、ピーリングに代わるものはありません。この製品は素晴らしく、決して故障しないのです」。
また、医薬情報担当者としての仕事は、しばしば医療従事者に対して製品やプロトコルの研修を行うことを含んでいました。この経験によって、複雑な概念を分かりやすく説明し、効果的に知識を伝える力が培われました。
こうした背景から、私は体系的な研修プログラムを構築し、現場の施術者たちがこの知識と技術にアクセスできるようにしました。
結果として、顧客に提供できるサービスの幅が広がったのです。

表層ピーリング技術と応用

あなたの技術について説明していただけますか

私はフランスで唯一、美容分野において表層ピーリングを行っている存在です。現在、この施術への需要は高まり続けており、肌の質にフォーカスする傾向が強まっています。この技術は、私が使用するピーリング剤と推奨する有効成分の組み合わせによって、顧客が事前に自宅で肌の準備をする必要がありません。
ただし、表層ピーリングもあくまで化学的な作用による「肌へのコントロールされた刺激」です。結果を得るためには炎症を起こす必要がありますが、使用する成分は慎重に選ばなければなりません。この点を私は研修で特に強調しています。

サロンでの施術プロトコル

  • 肌の評価 毛穴の開き、くすみ、小じわ、ニキビなどの症状やフォトタイプを分析する。
  • 準備 古い角質を取り除くために丁寧なクレンジングを行い、製品の浸透を高める。
  • 塗布 肌の状態やニーズに適したピーリング剤を使用する。
  • 鎮静 LED光によるフォトモジュレーションと抗炎症クリームで炎症を和らげる。
  • 自宅ケア 施術後は皮膚の回復、保湿、透明感を維持するための専用ケア製品を持ち帰り、継続的に使用する。

施術に適した時期と肌タイプ

施術に適した時期はいつですか

表層ピーリングの利点は、一年を通じていつでも施術可能な点にあります。夏でも問題なく行うことができます。

どのような肌タイプでも可能ですか

はい。作用は表皮の表層、つまり古い角質層に限定されるため、通常の洗浄では落としきれない細胞にアプローチします。
ただし、赤くなりやすい敏感肌や色白の肌、そして色の濃い肌には注意が必要です。グリコール酸を用いたピーリングを行うと、色白肌では赤みが強くなり、色の濃い肌ではリバウンド効果を引き起こす恐れがあります。

敏感肌への解決策と表層ピーリングの意味

敏感肌に適した解決策は何ですか

他の酸を使えば問題ありません。例えばマンデル酸は非常に適しています。実際、多くの人が「ピーリングにも種類がある」という認識を持っていないのです。

表層ピーリングとはどういう意味ですか

有効成分の濃度によって、マルピギー層や表皮全体に作用するかが決まります。例えば、グリコール酸を45〜50%という高濃度で使用する場合、黒人や非常に色白の肌には強い刺激となります。分子が最も小さく浸透が非常に速いため、もし適切に管理されず3分以上放置すると、さらに赤みや刺激が増す可能性があります。


Inner Beauty Award 2025 ―受賞商品発表―

  • Byline
  • New
ヌーヴェル国際版

ヌーヴェル国際版

編集部(フランス)

Les Nouvelles Esthétiques編集部(パリ)…1952年にフランスで創刊されたLes Nouvelles Esthétiques社が発行する美容技術者や経営者向けの専門誌。本誌は、美容、健康、ウェルビーイングに関する情報を提供しており、世界20数か国にライセンスを供給するなど、国際的に展開する美容専門メディアとして広く認知されています。

  1. 【インタビュー】美容医療とエステに学ぶ表層ピーリングの専門技術と市場価値

  2. パーソナライズと新テクノロジーが導く次世代フェイシャルケア

  3. SNS最適化―売上と集客を伸ばすSNS運用の基本戦略とは?

PR
RECOMMEND

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP