米国の子供の肥満対策に効果
2014.07.22
国際部
米国の子供の肥満についての新しい報告が7月21日、「PEDIATRICS」オンライン版に掲載された。
肥満対策に注力している米国だが、子供や若者の腹部肥満の調査は、1988-1994年および2003-04年に実施され、最近では調査が行われていなかった。前回、前々回の調査では、子供・若者の腹部肥満に有意な増加傾向があることが知られている。今回、2003-12年における肥満傾向の新しい調査を行った。データは、米国民健康栄養調査(NHANES)の、2003-04年、2005-06年、2007-08年、2009-10年、2011-12年の5つの期間のものを使用し、2-18歳の1万6601人を対象とした。
その結果、2011-12年には、2-18歳のウエスト周囲測定による17.95%が腹部肥満、6-18歳の32.93%がウエスト-ヒップ比による腹部肥満だった。2003-04年、2011-12年の腹部肥満者の割合には増減がなかったが、2-5歳の幼児に限っては腹部肥満者の減少が見られた。
米国の子供の肥満対策は主に学校を中心に行われており、州政府はWellness Policy(健康指針)などによりこれを支える形をとってきていた。オバマ政権の2010年には、ホワイトハウスによる肥満対策タスクフォースが、子供の肥満の現状レポートをまとめたりと、全米をあげての対策が展開されている。幼児期の肥満者の7割が成人肥満へ移行し、成人肥満は糖尿病や心臓病などを引き起こすため、肥満対策は幼児期からというのがこの背景にある。最新のデータからは、子供の肥満対策は成果を挙げつつあるようだ。