アキュテインが効かない人へのニキビ治療法
2015.01.7
国際部
海外では結節性ニキビ(紫ニキビ)の治療には、アキュテイン(一般名:イソトレチノイン、ISO)がゴールドスタンダードとされている。今回の研究は、ISO不適応または耐性のない患者用に、他の治療法を探すために実施された。結果は、「British Journal of Dermatology」12月号に掲載された。
重症結節性ニキビの患者266人を対象に、経口ISOとドキシサイクリン200mg+アダパレン0.1%/過酸化ベンゾイル2.5%ゲル(D+A/BPO)の治療の安全性と有効性を比較した。治療は20週間にわたって実施された。
その結果、D+A/BPO治療グループでは2週目に効果が見られ、ISO治療に比べ、結節、丘疹/膿疱、病変全体を早期に減少させることがわかった。また減少効果は、結節では95.6%対88.7%、丘疹/膿疱では95.2%対79.6%、病変全体では92.9%対78.2%と、すべてにおいてD+A/BPO治療グループが優っていた。研究者らは、D+A/BPOは、効果・安全性ともにISOより好ましいとしており、ISOに不適応の患者への治療オプションとして有望と結論された。
アキュテイン(米国での販売名)、ロアキュテイン(欧州での販売名)またはそのジェネリック医薬品は日本では未承認。妊娠中の女性が使用した場合には胎児に悪影響があるため、個人輸入で入手、処方箋がないまま使用することがないよう米国食品医薬品局(FDA)から注意勧告が出されている。
新たな組み合わせの治療法として使用された薬剤では、ドキシサイクリンは抗菌薬、アダパレンは日本でも承認されているニキビ治療薬、過酸化ベンゾイル(BPO)は米国ではニキビ治療に広く使用されているという化学品で、日本では危険物指定で薬品としては未承認。