亜鉛サプリメント摂取による銅欠乏のリスクを評価した研究が6月17日、「Journal of Clinical Pathology」オンライン版に掲載された。
育毛や精力アップなどの効果があるということで最近人気の亜鉛サプリメント。過剰摂取では銅欠乏症、貧血、神経症状などを引き起こす可能性がある。今回の英国で行われた研究では、亜鉛を投与されている患者70人の健康状態を精査。銅欠乏症の発症とその原因を評価した。
その結果、62％の患者で、銅欠乏症になってもおかしくはない亜鉛の投与が見られた。副作用として血中の銅減少の可能性を記載していたのは1人の患者のみで、亜鉛の処方を受けた患者で血漿の銅濃度を検査したのは2人のみだった。研究者らは、亜鉛による銅欠乏症発症についての注意が欠けていたとしている。9％の患者で原因不明の貧血、7％で神経学的症状の発症が報告された。
健康な人ではまず起こらないとされる銅の欠乏だが、欠乏症になると疲労、貧血、白血球減少などを引き起こす。亜鉛サプリメントの取り過ぎによる銅欠乏はまれだが、気付いていない例もあるかもしれない。
