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フユアオイの種子抽出液が脱毛治療に有望

フユアオイ(Malva verticillata)の種子からの抽出液が、毛乳頭細胞のWNTシグナル経路であるβ-catenin経路を介して発毛を促進するという論文が8月25日、「Journal Cosmetic Science」オンライン版に掲載された。

フユアオイは、中国原産でアオイ科の多年草。古くは葉や根を食用に、種子は冬葵子(とうきし)という名称で利尿剤、また便秘に効果があるお茶として愛用されていたという。日本では野生化しており、排水の良い日当たり地に生息している。

今回の研究では、フユアオイの種子から取った抽出液が濃度依存的にWntシグナルのレポーターを活性化させ、培養したヒト毛乳頭細胞のβカテニンレベルを上げることが確認された。抽出液から有効成分として同定されたミリストレイン酸は、用量依存的に毛乳頭細胞の増殖を刺激し、下流の目標転写レベルを増強した。このことから、研究者らはフユアオイの種子抽出液は毛乳頭細胞におけるWnt/βカテニン経路を調節する作用によって脱毛治療薬の候補となりうると述べている。

なお、2014年には日本人研究者らによって、同科ウスベニアオイ(Malva sylvestris)の抽出液に発毛因子の発現促進効果が確認されている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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