サンダルウッドエッセンスからアトピー治療薬
2016.03.1
国際部
Santalis Pharmaceuticals社の開発したサンダルウッド油を含有する新規の薬剤で、小児のアトピー性皮膚炎に有効だという試験結果が得られたことを2月23日、同社が発表した。製品名Santalia ADは、OTC医薬品として来年よりの販売が予定されている。
インドサンダルウッド(白檀)は香料として広く利用されているほか、仏像彫刻や工芸品の材料としても、アーユルヴェーダと中国医学などの伝統的医療にも使用されている。現在、熱帯広葉樹の中では最も高値で売買されており、違法伐採などの問題も起こっているという。香料としてのサンダルウッドは、心を落ち着かせる働きがあるとされている。約品としては炎症を抑え、二次感染を抑制する作用が確認されている。
今回実施された予備的研究は、生後3カ月から12歳のアトピー性皮膚炎小児患者25人を対象に、Santalia ADの患部への塗布を行った。22人が試験を完了した。良好な結果を示す湿疹面積と症状の重症度を表すEASI指数の25%低下は18人(82%)の患者で確認された。78.9%の患者から赤みや患部の皮膚の改善、73.7%の患者から患部の痛みや炎症の改善が報告された。
Santalis Pharmaceutical社は、アメリカのテキサス州サンアントニオに本社を置く、サンダルウッド油を利用したボタニカル・ファーマシューティカル企業。世界最大規模のサンダルウッドのサプライヤーとしては世界最大規模のTFS Corporation Ltd傘下。