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脂肪燃焼効果のメチルシネフリン、実は禁止薬物

ドーピング禁止薬物のオキシロフリン(Oxilofrine)が、12種以上の市販のダイエットサプリで確認されたという報告が4月7日、「Drug Testing and Analysis」オンライン版に掲載された。

ハーバードメディカルスクールのPieter Cohen准教授らのグループは、「脂肪燃焼」の文字がある市販のサプリメントブランド27種を分析。うち14種からオキシロフリンを発見した。全ての製品がオキシロフリンの別名メチルシネフリン(methylsynephrine)をラベルに用いていた。また6種の製品では処方レベル以上の含有量を示していた。具体的な製品名は「HyperDrive 3.0」、「Shredder」、「Fastin」、「Lean Pills」、「Tummy Tuck」。

オキシロフリンは血圧と心拍数を上昇させる興奮剤で、世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency:WADA)指定の禁止薬物のひとつ。また、その効果から低血圧の薬剤として承認されている国もあるという。

陸上男子100メートルの元世界記録保持者ジャマイカのアサファ・パウエル選手のドーピング事件は記憶に新しいところ。この際、問題になった薬物もオキシロフリンで、パウエル選手はサプリメントに含まれていたものを無意識に摂取したと弁明している。

米国食品医薬品局は(FDA)はすでに、サプリメントのラベルにメチルシネフリンという名称を用いることに関する警告文をメーカーに送るという措置を取っていると述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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