世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

オリーブオイルに含まれる成分がビタミンDの吸収を阻害

オリーブオイルに含まれるピノレジノールが、腸でのビタミンDの吸収を阻害する可能性を示唆した論文が3月16日、「Food Chemistry」オンライン版に掲載された。フルテキストの論文は2016年9月号に掲載される。

世界各地で多くみられるビタミンD欠乏症への対策の一つとして、ビタミンD含有量豊富で食事に取り入れやすいオリーブオイルが注目されている。

今回の研究では、オリーブオイルに含まれているビタミンDとフェノール類との腸レベルでの相互作用をラットで検討した。その後Caco-2細胞(腸管吸収モデルとして広く使用される)を用い、オリーブオイルに含まれる主要なフェノール類、オレウロペイン、ヒドロキシチロソールおよびピノレジノールの影響を調査したところ、DHA(ドコサヘキサエン酸)強化のオリーブオイルに含まれるポリフェノールがビタミンDの食後応答を阻害していることが明らかとなり、この阻害効果はピノレジノールの存在によるものとわかった。

ピノレジノール含有量はオリーブオイルによって大きく異なるため、ビタミンDが多く含まれている油脂製品を選ぶ場合には考慮すべきと示唆された。なお、別の分析調査では、オリーブオイルではエキストラバージンオイルでレギュラーの倍に当たるピノレジノール含有量が認められたという報告がある。そのほか、ゴマ、アマ、ケール、キャベツなども含有量が多い。

食品中のポリフェノールが腸管吸収を阻害をするという研究は近年発表が多く、ルテオリンとケルセチン(どちらも食品中ポリフェノール)がコレステロール吸収を抑制することと、そのメカニズムは2014年に「PLOS ONE」誌に「Luteolin and Quercetin Affect the Cholesterol Absorption Mediated by Epithelial Cholesterol Transporter Niemann–Pick C1-Like 1 in Caco-2 Cells and Rats」として発表されている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP