オリーブオイルに含まれる成分がビタミンDの吸収を阻害

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2016.04.12

国際部

オリーブオイルに含まれるピノレジノールが、腸でのビタミンDの吸収を阻害する可能性を示唆した論文が3月16日、「Food Chemistry」オンライン版に掲載された。フルテキストの論文は2016年9月号に掲載される。

世界各地で多くみられるビタミンD欠乏症への対策の一つとして、ビタミンD含有量豊富で食事に取り入れやすいオリーブオイルが注目されている。

今回の研究では、オリーブオイルに含まれているビタミンDとフェノール類との腸レベルでの相互作用をラットで検討した。その後Caco-2細胞(腸管吸収モデルとして広く使用される)を用い、オリーブオイルに含まれる主要なフェノール類、オレウロペイン、ヒドロキシチロソールおよびピノレジノールの影響を調査したところ、DHA(ドコサヘキサエン酸)強化のオリーブオイルに含まれるポリフェノールがビタミンDの食後応答を阻害していることが明らかとなり、この阻害効果はピノレジノールの存在によるものとわかった。

ピノレジノール含有量はオリーブオイルによって大きく異なるため、ビタミンDが多く含まれている油脂製品を選ぶ場合には考慮すべきと示唆された。なお、別の分析調査では、オリーブオイルではエキストラバージンオイルでレギュラーの倍に当たるピノレジノール含有量が認められたという報告がある。そのほか、ゴマ、アマ、ケール、キャベツなども含有量が多い。

食品中のポリフェノールが腸管吸収を阻害をするという研究は近年発表が多く、ルテオリンとケルセチン(どちらも食品中ポリフェノール)がコレステロール吸収を抑制することと、そのメカニズムは2014年に「PLOS ONE」誌に「Luteolin and Quercetin Affect the Cholesterol Absorption Mediated by Epithelial Cholesterol Transporter Niemann–Pick C1-Like 1 in Caco-2 Cells and Rats」として発表されている。

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