厚労省が美容医療など事前審査・届出制に、広告も規制

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2013.04.25

編集部

心臓や肺など様々な細胞になる人工多能性幹細胞(iPS)を使った再生医療を国の責任で安全に推進することを定めた「再生医療推進法」と現在、自由診療で行われている美容医療の安全審査を倫理委員会で審査し美容医療の手術計画(手続き)を厚生省に事前に届け出る届出制とすることなどを盛り込んだ「再生医療規制法」が今国会で成立することになった。

同推進法は、iPSを使った再生医療の研究開発や臨床試験を安全に進めるために国が基本理念を定めて国の責任で安全性を重視しながら臨床研究や治験を進める。また、再生医療に事業者や大学、医療機関が参入しやすし、安全面から研究開発を促進するために助成制度を盛り込んで財政面からの支援を行う。参議院での審議を経て今国会で成立する。
一方、再生医療や美容医療など細胞を対象としたリスクの高い手術や医術などの安全確保策については、同推進法と別の新法「再生医療規制法」で対応する。

同規制法は、再生医療やがん治療、美容医療など医療全般を規制の対象とし、国が定めた3つに分類(高リスク第1種、中リスク第2種、小リスク第3種)したリスクの評価基準に準拠して公的な倫理審査委員会に諮り了承を得た上で、厚生省に計画を届け出る届出制とするもの。
厚生省は「倫理審査委員会の機関選定を含めて現在、安全確保の面に重点を置いた法案を準備中」(研究開発振興課)としており、今国会に法案を提出して成立を図る。

同規制法が施行されると現在、クリニックや美容サロンなどを中心に自由診療で行われている細胞を対象とした豊胸手術や皮膚再生治療などは、公的機関の倫理審査委員会に諮って了承を得た上で厚生省に計画を届け出ることが義務付けられる。また、美容クリニックなどの広告宣伝などについても同規制法で指導を強化する。

現在、美容クリニックを中心にサーマクール、フェイスリフトと呼ばれる顔対象の頬や額のたるみを改善する治療をはじめヒアルロン酸注入による鼻,あごの整形や胎盤から抽出したエキス「プラセンタ」を使った肌のコラーゲン再生などの手術、治療が自由診療で盛んに行われ、広告宣伝も野放しの状態。

同規制法は、細胞を扱う再生医療や豊胸手術、皮膚再生治療などの手術、治療を国が定めた安全評価基準に準拠して行うことで、再生医療全体の安全性と信頼性を高めるのが狙い。

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