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目にいい薬用植物の探索結果

古くから人々の健康を支えてきた伝統的薬用植物の科学的な利用の1例が6月2日、「Journal of Ethnopharmacology」オンライン版に掲載された。

ナバーラは、質の良いワインを生産することでも有名なスペインの自治州のひとつ。このナバーラで伝統的に使用されてきた薬用植物の目に対する効果を、科学的に研究する試みが始まっている。今回の研究は、州内の267か所から、686人の情報提供者に参加してもらい、民族植物学の観点からのインタビューを実施した。また、インタビューから得た情報の、薬学的なアプリケーションを確認するために、文献の調査も実施した。

その結果、13科19種類の植物から57の薬用用途が報告された。よく利用される植物の部位は花序、花、地上部、葉だった。効能は11のカテゴリーに分けられた。充血、涙目、眼の傷、視力改善、まぶたのかゆみ、疲れ目などがあった。ローマンカモミール、ワタスギギク、セイヨウニワトコ、バラの原種のひとつであるロサ・アグレステスなどが、よく利用されていた。薬用学的観点からは、ニンニク、フェンネル、サンシュユ、ワタスギギクが注目された。

医薬品の開発には化学、生物、遺伝子、薬理などさまざまなアプローチがあり、各地に伝わる薬用植物の研究も有力なアプローチの一つ。日本をはじめとしたアジア各国でも、伝統的な東洋医学への、現代的アプローチがさかんに進められている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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