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【14】ウエルシーライフラボ① ~無添加化粧品を開発し起業~

「無添加と呼ばれる様々な化粧品を試したが、防腐剤や界面活性剤などに反応して肌荒れを起こすなど大変苦しんだ」―。こんな経験から2013年5月に、無添加化粧品の開発・製造、販売とODM事業(Original Design Manufacturing=相手先ブランドによる設計・製造)を目的とした法人企業「株式会社ウエルシーライフラボ」(栃木県宇都宮市、社長佐藤香苗氏)を設立し、地域創生型の無添加化粧品ベンチャーとして事業展開している。

同社の化粧品開発は、自社単独での開発と提携企業とのコラボレーション開発の2形態をとっている。

ウエルシーライフラボ「べジリアブレンドローション」自社単独の代表的な化粧品開発は「ベジリアブレンドローション」(写真)。防腐剤、界面活性剤、オイル、色素など、肌に必要のないものは一切排除。メカニズムの異なる4種類の保湿成分を組み合わせ、この化粧水のみで顔、手足を含めた全身のスキンケアが可能なオールインワンタイプの化粧水。特に、希釈水の1液(57.5ml)と濃縮液の2液(2.5ml)がセットにした販売スタイルをとっている。

消費者が容器に入った2液を1液に全量入れて使用。混合後は、冷蔵庫に入れて2週間で使い切り(開封前は常温で長期保存可能)。
消費者は使いたい時に自らの手で安全で新鮮な化粧品をいつでも作ることができ、すぐに使える。

一般的に防腐性のない化粧水を作るには、無菌充填という方法で製造することが可能。しかし、非常にコストがかかり製造、流通の場面での品質保証はできるが、長期間使用する化粧品の特性から、消費段階での保証ができない。そこで、製造、流通と消費段階を分けて考えるという方法を取り入れた。

いわば、製造、流通の場面での化粧品の品質保証は、防腐剤を添加しなくても長期保存可能な食品の保存方法を化粧品に取り入れることで担保した。

実使用場面では、消費者自身の手で最終行程を行い(濃縮溶液を希釈水に添加して完成)、できた化粧品を新鮮な食品の様に冷蔵保存し、消費期限をもうける事によって品質を管理する。この方法により消費者は、使いたい時に自らの手でいつでも安全で新鮮な化粧品を作る事ができる。さらに、経過時間を可視化する新しいツールを用意し、顧客が完成させた時点からの経過時間をモニターできるようにして、確実に消費期限を守れるようにしている。同商品は、2013年8月に化粧品製造を取得した後の同年12月にネット通販している。

同社は、この無添加化粧品の研究開発で2014年1月に宇都宮ビジネスコンテストの最優秀賞を受賞するなど、ベンチャー企業としての存在を高めている。

 

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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