善玉コレステロールは思ったほど「善」ではなさそうだ
2017.08.28
国際部
善玉コレステロールが高いと死亡率が増えるかもしれないという研究結果が8月23日、デンマークのコペンハーゲン大学健康科学部からプレスリリースされた。研究者らは長年「善玉」と呼ばれてきたHDLコレステロールが、実はそれほど「善」ではないかもしれないと考えている。
研究者らは、コペンハーゲンの11万6000人のデータを分析した。追跡期間平均6年間中、1万500人の死亡例があった。死因および被験者の医療情報に基づいて死亡率を算出した。その結果、血液中のHDLレベルが非常に高い男性は、正常なHDLレベルを有する男性よりも死亡率が106%高いことを示した。女性では68%高かった。HDLレベルが次に高いグループの男性でも36%高かった。この調査で対象となったHDLレベルが非常に高いグループは男性で全体の0.4%、女性で0.3%、次に高いグループは男性で1.9%だった。この研究では、血液中のHDL濃度が極端に低い人も死亡率が高かった。HDLレベル中程度グループで死亡率が最も低かった。男性の場合はこのレベルは1.9mmol / L、女性では2.4mmol / Lだった。
「この結果は、善玉コレステロールへの理解を根本的に変える。私のような医師は、HDL値が高い患者に対し、それは喜ばしいことだと言ってきたが、もう言えない。死亡率が劇的に高くなるようだ」と著者の一人であるBørge Nordestgaard博士は述べている。