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海藻の成分から自然にもやさしい日焼け止め

海藻に含まれる成分から、人と環境にやさしい日焼け止め成分が確認されたという研究が12月5日、英国キングス・カレッジ・ロンドンからプレスリリースされた。研究の詳細は「British Journal of Dermatology」オンラインに掲載された。

太陽光線から皮膚を保護するために日焼け止めの使用が推奨されている。日焼け止めには化学合成による紫外線フィルターが含まれており、これらの物質は生態への影響が大きいものも多く、珊瑚、魚貝、微生物などの海洋生物に害を与える可能性がある。

今回、キングス・カレッジ・ロンドンの研究者らは、海藻からUVAおよびUVB吸収を持つミコスポリン様アミノ酸(MAA)の一種、パリチン(palythine)を抽出した。MAAは主に太陽光の届く浅い水辺に多く生息する生物が産生する天然の化合物である。人間の皮膚細胞を使用した実験では、非常に低い濃度のMAAでも、太陽からの有害な放射線を効果的に吸収し、UVR誘発損傷から皮膚細胞を保護できることが示された。

また、パリチンが強力な抗酸化物質であり、細胞の損傷および光化に関連する酸化ストレスに対して皮膚保護を提供し得ることも示した。研究者らは、今回の成果は環境に悪影響を及ぼすことなく人間の皮膚を保護する、環境適合性があり無毒性の天然日焼け止め剤の開発に役立つ画期的なものであると述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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