標準体重でも体脂肪が多いと乳がんリスク大
2018.02.2
国際部
高い体脂肪レベルは標準BMI女性の閉経後乳がんリスクと関連するという研究結果が1月26日、アメリカがん学会(American Association for Cancer Research:AACR)サイトに掲載された。この研究は1月27~30日に米国テキサス州オースティンで開催されたAACRの学会「American Association for Cancer Research Special Conference Obesity and Cancer: Mechanisms Underlying Etiology and Outcomes」で発表されたもの。
調査者は、50-79歳の閉経後女性の健康に関する観察研究である「女性健康イニシアチブ(WHI)」データを分析した。対象は標準のBMIで、乳がんの既往歴がなく、体脂肪を正確に計測するDXA(二重エネルギーX線吸収測定法)の測定値がわかる女性3460人とした。中央値16年の観察期間中182人が侵襲性乳がんを発症し、このうち146例ががエストロゲン受容体(ER)陽性だった。
多変量解析では、全体脂肪量の最低四分位の女性と比較して、最高四分位の女性はER陽性乳がんのリスクが倍になっていた。標準的なBMIにもかかわらず、全体脂肪5キログラム増加ごとに、ER陽性乳がんリスクが35%増加していた。体脂肪が多い女性は身体活動のレベルが低いことも関連していることが考えられた。