多量の食物繊維摂取による健康効果の調査報告
2018.04.3
国際部
食物繊維摂取による説得力のある健康への効果を調査した研究結果が3月16日、「American Jorunal of Clinical Nutrition」オンラインに掲載された。
これまでの研究で、多量の食物繊維の摂取が、さまざまな健康効果をもたらすことが示唆されている。しかし、多くの結果は確実なものではなく、今のところ食物繊維摂取に関連する結果の幅を体系的に把握したり、食物繊維摂取に関する証拠の質と強さを体系的に評価しようとする試みはなされていなかった。そこで今回の研究では、既発表の観察研究のメタアナリシスによる系統的レビューのアンブレラレビューを行った。
文献検索で1351件の抄録を特定。合計298件の前向き観察研究と主要評価項目である21件の転帰を記載した18件のメタアナリシスが含まれていた。レビューの結果、がんおよび前がん病変、心血管疾患、全死因および疾患特異的死亡、2型糖尿病、クローン病を評価項目とした。適格な評価項目を記載した21件のうち6件が、心血管疾患および心血管疾患死、心血管疾患、膵がん、消化器がんで非常に重要な結果を示していた。心血管疾患と冠動脈疾患は2件の研究で非常に説得力の高い証拠を示した。これらの結果は、健康的な食生活の一環として、より多量の食物繊維の摂取を促進する食事療法を支持している。