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ビオチンサプリメント、健康診断の結果に重大な影響

市販されている量のビオチンサプリメントの摂取で、健康診断で臨床的誤解を招く検査結果が出たという報告が5月18日、University of North Carolina Health Careからプレスリリースされた。報告の詳細は「Journal of the Endocrine Society」に掲載されている。臨床検査へのビオチンの干渉についての警告は、2017年11月に米国食品医薬品局(FDA)が出している。

ビオチンはビタミン7とも呼ばれる水溶性ビタミン。体内で合成できないため食品からの摂取となる。レバー、卵黄、大豆などに多く含まれるが、通常の食生活では不足になることは稀と言われている。ビオチンサプリメントは髪、肌、爪に良いものとして市販されているが、この効果を支持する科学的証拠は確認されていないという。

今回の症例報告の患者は毎日5000mcgのビオチンを摂取。その用量のビオチンサプリメントは、食料品店やドラッグストアで約8〜20ドルのボトルで市販されており、通常量の摂取と考えられた。この患者のケースでは、試験結果における「高コルチゾール血症またはテストステロン産生腫瘍の疑いで数週間の心理的苦痛」が生じた。

報告書の著者である同大学医学部代謝学准教授のMaya Styner医師は「我々の症例報告のように、血清コルチゾールとテストステロンイムノアッセイへのビオチン干渉に関する文献は不足している。患者は高い頻度、多くの用量のサプリメントを摂取しているため、この症例報告は臨床的および基礎科学的な観点からタイムリーで関連性が高い」と述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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