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食物繊維の摂取は脳の健康にもつながる

食物繊維は加齢の脳に起こる炎症を軽減するという研究成果が9月14日、米イリノイ大学農業・消費・環境科学部からプレスリリースされた。研究の詳細は「Frontiers in Immunology」オンラインに掲載されている。

哺乳動物が老化すると、ミクログリアと呼ばれる脳の免疫細胞に慢性的炎症が起こる。炎症が起こった脳では、認知機能および運動機能を損なうことが知られている化学物質を生成されることがわかっており、記憶などの脳機能が低下する理由でもある。しかし、今回の研究によると、食物繊維の摂取がこの不可避の現象を遅らせることができるかもしれない。

食物繊維は腸内の良好な細菌の増殖を促進し、これらの細菌が繊維を消化すると、副産物として酪酸を含む短鎖脂肪酸(SCFAs)を生成する。「酪酸は直接投与された場合、ミクログリアに抗炎症性を示し、マウスの記憶を改善することが示されているので興味深い」と同大学動物科学部Robney Johnson教授は述べている。強い臭気のため、酪酸(ナトリウム)を実際に摂取することは難しい、しかし体内の酪酸を増加させるには食物繊維の摂取量を増やせばよいことがわかっている。

食物繊維に由来する酪酸は、薬物と同じ利点を脳内にもたらすはずだが、これまでその試験は行われてこなかった。今回は、低および高繊維食を若いマウスおよび老齢のマウスグループに与え、次いで血液中の酪酸および他の短鎖脂肪酸値ならびに腸内の炎症性化学物質を測定した。その結果、高齢のマウスでは高繊維食により腸の炎症は劇的に減少していた。また、脳の炎症の兆候も高繊維食の高齢マウスで低下していることを確認した。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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