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寒さとニコチンに関連する受容体の同時刺激で体重減少

2つの受容体を同時に刺激する方法に減量効果が観察されたという研究結果が10月24日、デンマークのUniversity of Copenhagen The Faculty of Health and Medical Sciencesからプレスリリースされた。研究の詳細は「Nature Communications」オンラインに掲載されている。

デンマークにおいても肥満は社会問題であり、成人人口の半数が過体重または肥満に分類されている。今回、コペンハーゲン大学の研究者らは、寒中水泳および喫煙に関係する受容体への刺激により、マウスの代謝を改善して体重を減らす方法を発見した。研究者らはこれらの受容体を「cold and nicotinic receptors(寒冷・ニコチン受容体)」と呼んでいる。研究者らは、寒い環境で見られるエネルギー代謝回転の増加と、ニコチン摂取に関連して見られる食欲の低下という現象にヒントを得て、寒冷に関する受容体およびニコチンに関する受容体への刺激に体重減少効果があるという仮説を立てた。

寒冷に関係する受容体を新しく発見し(TRPM8)、それを活性化する物質イシリンを同定した。またニコチンに関連する受容体を活性化する物質ジメチルフェニルピペラジニウムを同定した。マウスを使った実験の結果、この2つの受容体を標的とした併用療法を受けた20日間で約12%の体重減少を確認した。実験マウスの代謝は改善されており、耐糖能異常が消失していた。この併用療法がヒトに対して同じ効果を有するかどうかの決定には、さらにいくつかの研究が必要であると、研究者らは述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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