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ボツリヌス併用でヒアルロン酸注射の効果持続期間が延長

しわやたるみの改善に用いられるヒアルロン酸注射。しわ取りの効果は約12ヵ月持続し、徐々に体内に吸収され分解される。効果持続のためには現在、ヒアルロン酸の組成を変えて吸収されにくくした高架橋型ヒアルロン酸や、非吸収性の物質を添加して吸収されにくくする方法などが用いられている。

今回、「Plastic & Reconstructive Surgery」1月号に掲載された研究では、これも美容外科では一般的に用いられるボツリヌス神経毒A型(商品名:ボトックス)を併用することで効果持続時間を延長できることが示唆された。

この研究では、ヒトの眉間に見立てたウサギの頭蓋骨を用いてモデルを作成した。一方にヒアルロン酸のみ、もう一方にボツリヌス神経毒A型と組み合わせたヒアルロン酸を注射し、3ヵ月間の体積の増減を比較した。

注射当初の体積はどちらも0.61cm3で、違いはなかった。注射から3ヵ月後の体積の減少は、ヒアルロン酸のみの側で0.33cm3、ボツリヌス併用の側で0.19cm3で、有意差が見られた(p=0.735)。最終的にはそれぞれ0.28cm3と0.42cm3の減少が見られ、双方間の体積に統計的有意差が見られた(p<0.001)。

ボツリヌス神経毒素タイプAと組み合わせたヒアルロン酸フィラーは、ヒアルロン酸の分解吸収過程を遅くすることが示された。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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