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乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫:イスラエル報告

近年報告が続く、乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫についてのイスラエルからの報告が8月21日、「Israel Medical Association Journal」オンラインに掲載された。米国食品医薬品局(FDA)は7月24日に、乳房インプラント大手メーカーのアラガン社に対し、一部の製品の自主回収を要求し、世界的規模の自主回収が実施されている。

乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫(ALCL)は、乳房再建または豊胸手術の際に使用された乳房インプラントの周囲に見られるまれなタイプの非ホジキンリンパ腫である。20年ほど前に初めての報告があり、イスラエルでは2018年現在で4例の報告がある。推定発生率は3817人から30000万人に1人の範囲で考えられていた。

今回の報告では、イスラエルでALCLと診断された4人の患者の後ろ向き分析を実施。細胞診の確認、臨床データの収集、およびイスラエル国内で豊胸手術を受けた女性の推定数に基づいて、真のALCL発生率の計算を行った。その結果、イスラエルでのALCL発生率は、以前の報告が示すよりも著しく高く、生涯の有病率は豊胸手術を受けた女性60000人に4人または15000人に1人と推定された。研究者らは、ALCLは一般的な疾患ではないとしながらも、その発生率は考えられていたものよりもはるかに高く、臨床的および医学的対処を講じることが必要としている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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