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桑の実抽出物から抗酸化ゲル製剤を開発

桑の実抽出物から抗酸化ゲル製剤の開発可能性を研究した結果が「Journal of Pharmacy & Bioallied Sciences」オンラインに掲載された(2019, Volume11, Issue3)。

クロミグワの実(Morus nigra L.)には、紫外線曝露に対する保護作用がある抗酸化物質のアントシアニンが含まれている。今回の研究は、クロミグワの抽出物から抗酸化剤および日焼け止め作用を持つゲル製剤を製造することを目的とした。クロミグワの実に対し96%エタノール溶媒で浸軟した(maceration)。抽出物の抗酸化活性は1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)法を用いて評価し、ビタミンCと比較した。さらに、この抽出物をヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カーボポール934 などと配合したゲル製剤を作製。官能評価、均質性、pH、粘度、分散、嗜好テスト、刺激テスト、抗酸化活性試験などの物理的評価を行った。

その結果、クロミグワ抽出物が抗酸化活性を持ち、50%阻害濃度(IC50)値が146.73ppmで、抗酸化強度がビタミンCの39.6倍低いことを示した。この作製されたゲル製剤は、抗酸化活性を示し、IC50値は104.659ppmだった。さらに、嗜好テストと刺激テストの結果からに、このゲル製剤は非常に好まれるものであり、安全な局所用ゲルとされた。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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