世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

ワイン醸造廃棄物の抗酸化フェノール化合物は日焼け止めに有用

ワイン醸造廃棄物から抽出された抗酸化フェノール化合物を日焼け止めに添加した時の効果を検討した結果が117日、「Antioxidants」オンラインに掲載された。

ワイン製造後の果皮と種子であるぶどうの搾りかすには高い濃度のポリフェノールが含まれている。この高価値の産業廃棄物はサスティナブルの観点からも注目されている。抗酸化フェノール化合物は光保護効果を持つという強力なエビデンスが示されており、UV保護を強化するために、ワイン製造廃棄物から日焼け止め製品に高野活性化合物を適用することは合理的であると考えられた。

そこで、ワインの原料として使われるヨーロッパブドウ(Vitis vinifera L.)のハイドロエタノール抽出物を用いて6種の製剤を開発した。タイプIは化粧品基材およびUVフィルター。タイプIIは化粧品基材とエキス。タイプIIIは化粧品基材、エキス、UVフィルター。さらにタイプIからIIIまでの製剤それぞれをpH 5pH7で調製した。

その結果、タイプIIIpH 5調整剤による光保護効果と光安定性は、活性分子間の相乗効果によりSPF81%増加させることを示唆した。またこの製剤のみが、UV照射後に広範囲の保護を維持した。これらの結果は、ブドウ搾りかす抽出物が、主に日焼け止めに使用できる多機能性を有し、優れた性能を付与することが確認できた。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP