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大気汚染で体重が増える?

大気汚染が腸内細菌に悪影響を与え、糖尿病や肥満の遠因となることを示した論文が発表されたことが311日、University of Colorado at Boulderからニュースリリースされた。この研究の詳細は「the journal Environment International」に掲載されている。

大気汚染と腸内細菌叢の構成と機能の変化を結び付けた最初のものとなったこの研究では、全ゲノムシーケンスを使用して南カリフォルニア州在住の若年成人101人からの糞便サンプルを分析した。同時に、居住地近くにある空気監視ステーションからのデータを調べて、前年のオゾン(車両から汚染物質が太陽光にさらされて形成される)、粒子状物質(大気中に浮遊する有害粒子)、および亜酸化窒素(化石燃料の燃焼による毒性副産物)への曝露量を計算した。

その結果、測定されたすべての汚染物質の中でもオゾンは腸に最も大きな影響を与え、腸内細菌叢の変化の約11%を占めた。これは性別、民族、食事よりも大きな影響を与えるものだった。オゾンへの曝露レベルが高い人は、腸内に生息する細菌の種類が少なかった。

同大学統合生理学のTanya Alderete准教授は「細菌の多様性の低下は肥満や2型糖尿病と関連しているため、これは重要である」と述べている。また、曝露レベルが高い人で増加がみられたbacteroides caecimurisは肥満との関連が指摘されている腸内細菌だった。今回の研究で、オゾン曝露レベル増加の影響を受ける128の細菌種を特定した。このうちいくつかの細菌はインスリンの放出に,また、脂肪酸を含む代謝物生成に影響をもたらすものだった。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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