※本記事は、美容および医療に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療・処方を推奨するものではありません。掲載された内容は、信頼性の高い情報に基づいて執筆されていますが、すべての症状や体質に当てはまるとは限りません。治療や処置をご検討の際は、必ず医師の診察・指導を受けたうえでご判断ください。また、医薬品や医療機器の使用に関する詳細については、厚生労働省のガイドラインや各製品の添付文書をご確認のうえ、専門家の指導に従ってください。
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タトゥー除去を求める社会的ニーズとその背景
ここ数年でタトゥーの人気が高まり、多くの人々が自身のストーリーを表現するため、あるいは単に流行に乗るために肌に印を刻むようになりました。現在、フランスでは5人に1人がタトゥーを入れていると言われています。この傾向は特に若年層に顕著で、35歳未満では29%の人がタトゥーを施しています。しかし、タトゥーは本来消えないことを前提に施されるものですが、時間の経過とともにその選択に変化が生じることもあります。
これまでタトゥー除去は困難でリスクの高い処置と認識されてきましたが、技術の進歩により、その状況は大きく変わりました。現在では、美容医療の分野において、高い効果を備えたタトゥー除去の手法が確立されており、肌を元の状態に戻す可能性が広がっています。美容医療の専門機関であるLazeoでは、最先端の設備を用いたレーザーによるタトゥー除去が行われており、安全性と精度の両面で信頼できる施術が提供されています。これらの機器は、タトゥー除去専用に設計されており、患者の肌にできるだけ負担をかけずに処置を進めることが可能です。
Discovery Picoレーザーによる除去技術


Discovery Picoレーザーは、超短時間のパルス照射によってタトゥーの色素を狙い撃ちしながら、表皮への影響を最小限に抑える設計となっています。高度な出力性能により、色付きのインクも黒色インクも、その深さや濃さに関係なく正確に作用します。従来型のレーザーとは異なり、Discovery Picoは2倍の強さでパルスを照射することができ、インク粒子を微細に分解し、体内で徐々に自然吸収される仕組みを可能にしています。この先端技術にLazeoの専門スタッフによる知見が加わることで、精密かつ個別対応型のタトゥー除去が実現されています。
Lazeoが提案するタトゥー除去の標準プロセス
Lazeoでは、タトゥー除去において一人ひとりの肌質やタトゥーの特徴に応じた構造的なプロセスを採用しています。以下がその主要なステップです。
ステップ1:診断
初回のカウンセリングでは、個別の診断が行われます。医師がタトゥーの部位、色、インクの深さを分析し、必要な施術回数を見極めます。
ステップ2:麻酔
施術中の快適さを確保するため、処置部位に局所麻酔が施されます。
ステップ3:Discovery Picoレーザー照射
麻酔後、医師がDiscovery Picoレーザーを使用してタトゥーの色素に正確に照射します。肌のフォトタイプやタトゥーの特性に応じて出力が調整されるため、表皮への影響を抑えながら高い効果が期待できます。
ステップ4:施術後のケア
各回の施術後には、数日間で自然に消える小さなかさぶたができることがあります。良好な回復を促進するため、患部には厚めに修復用クリームが塗布され、次回までの適切なホームケアについてのアドバイスも提供されます。
予防と再生を重視する次世代の美容皮膚医療
文責:Dr. Martine Darchy(皮膚科医、オルレアン)
美容皮膚医療は今、全人的な視点から「ウェルビーイング(健やかさ)」全体を対象とするホリスティックな領域へと進化しています。たとえば、老化の兆候に対するAIによる診断、治療効果のリアルタイムでの精密な追跡が可能になっています。
かつて主流であった侵襲的な施術はもはや時代遅れとされており、「手術を伴わないリフティング」が注目されています。今求められているのは、自然で個別対応型かつ安全性の高い、予防的で穏やかなアプローチです。注入施術をサポートする技術として、皮膚超音波検査やOCT(光干渉断層法)の導入が今後、クリニックにおいて不可欠、もしくは義務化されると予想されています。これらは合併症の管理やその治療にも活用されます。慢性炎症による細胞酸化は老化の大きな要因であり、生活の質、ストレス、運動、食事、栄養補助、そして予測的な健康診断など、あらゆる手段を通じて対抗する必要があります。
新たな技術も登場しています。レーザー技術の進歩によって、組織の刺激と再生の両面で顕著な改善が見られています。組織誘導剤の活用が進み、幹細胞は髪や肌、傷痕の再生に使用され始めています。さらに、エピジェネティクス(後成遺伝学)、遺伝子治療、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、エクソソームといった領域が話題に上っています。加えて、環境に配慮した施術や化粧品が重視されており、持続可能な美容実践も求められるようになっています。
未来の皮膚科学はAIによる診断と治療の支援を受けることになりますが、AIが人間に取って代わるわけではありません。AIは診断、治療、経過観察を加速させる手段となり得ますが、人間の微妙な感性を持ち合わせていないため、患者を尊厳あるかたちで支えることはできません。
現在の人口動態、経済状況、科学の進展を踏まえると、医療、特に医療皮膚科学と美容皮膚科学の実践方法は確実に変化していくことでしょう。私たちの社会は人口が増加し、高齢化が進んでいます。一方で、皮膚科医の数は減少傾向にあるのが現状です。
美容皮膚医療の未来とは―テクノロジーが診断と治療を支援する時代
未来の医療では、診断と治療の現場にテクノロジーが不可欠な役割を果たすことになります。すでにAIを搭載した機器によるスクリーニングは導入が始まっており、その精度や安全性は人間の目を上回ると評価されています。
診察の場面では、遠隔診療ブースのような設備が対面の診察を代替しつつあります。患者の多くはもはや診られることを望んでおらず、私たちはその他の消費財と同様の「サービス対象」として扱われるようになっています。アルゴリズムによる診断と治療は、医療へのアクセスを一層迅速にすることでしょう。
血管治療におけるイノベーション
Lutronicの独占パートナーとして、Seridermグループはフランス国内に高性能レーザー「DermaV」を導入しました。これは、血管性疾患の処置を高精度かつ安全に行うための先進技術です。
DermaV:血管用レーザーの新たなスタンダード
DermaVレーザーは、血管や色素に関連する症状の治療に特化した最先端技術を搭載しています。KTP、Nd-YAG、パルスダイレーザーの複数の光源を組み合わせることで、さまざまな血管病変に対応できる多用途なソリューションを提供します。
具体的には、以下のような症状に適応します。
- クーペローズや紅斑:拡散した赤みの軽減
- 毛細血管拡張症(脚や顔の目立つ血管):拡張した血管のターゲット治療
- 血管腫(ルビー状または平坦型):肌色を均一に整える目的
DermaVは、532nmと1064nmの二重波長により、ヘモグロビンとメラニンの吸収率を最適化し、赤みや色素沈着への高い効果を実現します。さらに、肌への安全性を確保しながら、個々に応じたオーダーメイドの治療が可能です。
また、本機には最新世代のICD冷却システムが搭載されており、施術中の不快感を大幅に軽減します。熱感やチクチクとした刺激を抑え、火傷や副作用のリスクを最小限に抑える設計です。
この施術は短時間で完了し、非侵襲的でありながら、可変パルス幅と大口径スポットによって、処置部位に応じて深さを調整可能です。これにより、すべての肌タイプに対応することができます。
施術の流れ
DermaVによる1回のレーザー施術は、おおよそ15〜30分程度です。処置の所要時間は、対象部位や症状の程度によって異なります。はじめに、肌を丁寧にクレンジングした後、ターゲットとなる部位にレーザーを照射します。その際、輪ゴムではじかれたような軽い熱感を覚えることがあります。施術終了後には、快適性を高めるために鎮静クリームが塗布されます。
自然な表情を守る感情分析と美容治療の融合
自然な表情を損なわない治療の重要性
文責:Dr. Thierry Michaud(皮膚科医、ミュルーズ)
感情を表現する顔の動きは、それ自体がひとつの言語であり、人と人とのコミュニケーションにおいて極めて重要な役割を果たしています。そのため、顔の加齢に対する治療においては、こうした感情表現を正確に理解し尊重する必要があります。さもなければ、自然さからかけ離れた、画一的あるいは複製のような仕上がりになってしまいます。患者が求める「自然さ」はほとんど常に共通の願いであり、美容医療において真剣に考慮すべき要素です。
顔の老化によって現れる否定的な表情は、顔の動きに伴う反復的な筋肉の使用に加え、加齢に伴う組織の内的な変化によって引き起こされます。これは顔のすべての解剖学的構造に影響を及ぼし、骨格、脂肪組織、筋肉、皮膚が対象になります。特に「悲しみ」「疲労感」「厳しさ」「不満」といった否定的な表情は、本人の内面の感情を反映しておらず、「自分らしい顔」を失ってしまったという違和感を患者に与えます(David Le Bretonによる「顔の喪失」)。こうした違和感の認識は、自己評価や生活の質を低下させる要因となり、美容医療への関心を高める一因にもなっています。
個々の顔の老化に対して症状学的に分析を行うことで、否定的な表情とそれに伴う形態変化を特定することができ、これにより適切な治療計画を立てることが可能になります。一般的には、ボツリヌス毒素注入、ボリューム補填・輪郭形成、レーザー、その他の医療機器、再生医療など、複合的なアプローチが用いられます。こうした治療は、顔の自然な動きと感情表現という「顔の言語」を尊重しながら行う必要があり、仕上がりも自然であることが求められます。
加齢による変化に早期から対応することで、老化現象の予防が最大限に実現されます。このような観点から、治療は単なる美容施術にとどまらず、長期間にわたる包括的な患者サポートであり、決して「顔本来の自然さ」や感情表現を損なわないことが前提とされるべきです。
首・デコルテ・手の光老化とその対応
顔以外の領域にも意識を向けるべき時代へ
文責:Dr. Véronique Gassia(皮膚科医、トゥールーズ)
美容医療における多くの自発的な要望は、顔の美化や若返りに集中しています。しかし、加齢は全身に起こるものであり、外的要因による老化、すなわち光老化は顔だけでなく、首、デコルテ、手にも及びます。これらの部位は日常的に紫外線などの外的刺激を受けやすいにもかかわらず、光老化や老化予防においては見落とされがちです。特に手は、女性においては構造的に皮膚が薄く、皮脂腺や毛包が少ないため、より傷みやすい部位とされています。
そのため、顔の皮膚とこれらの部位との間に明らかな差が生じることがあり、それが加齢の兆候として顕在化します。首、デコルテ、手の各部位に見られる光老化の兆候、たとえば日光性色素斑(アクチニックスポット)や毛細血管拡張などは、血管や色素に特化したレーザー、あるいはフォトフェイシャル(IPL)などの施術で対応が可能です。赤みや血色異常のある皮膚、特に「エリトロシス・コリ」と呼ばれる症状に対しても、これらの技術が有効です。また、乾燥による小じわや質感低下には、メソセラピーやSkin Boosterによる水分補給療法が有効です。
首の老化への対応
理想的な首元とは、鋭角なあご下ライン(頸部あご角)、明確なフェイスライン、横ジワやプラティスマ筋によるバンドのない状態、滑らかで艶のある均一な皮膚を指します。この非常に難易度の高い領域に対して、近年はさまざまな治療技術が開発されています。たとえば、スレッドリフトやボリューム密度向上スレッド、単独あるいはマイクロニードルと併用するラジオ波治療、エンドリフティング技術、プラティスマ・咬筋・DAOへのボツリヌス毒素注入、あごやフェイスラインの形を整えるためのフィラー注入、皮下脂肪へのクライオリポライシスなどが挙げられます。
手の老化への対応
手の老化には、皮下組織の萎縮によって血管や腱が過度に目立つといった特徴があります。これに対しては、ヒアルロン酸や希釈Radiesseの注入によるボリューム回復が効果的です。また、手に現れる日光性色素斑(アクチニックスポット)に対しては、レーザーやIPLによる治療が有効です。
総括
このように、首、デコルテ、手といった部位は、加齢の予防と補正の両面において、今や見逃せない重要な領域となっています。これらの部位に対する施術には、多様な医療技術の組み合わせが可能であり、加齢に関する形態的・生理的変化への深い理解と分析に基づくことが、最大限の効果を引き出すために欠かせません。