概要
カイコの絹糸、シルクに約70%含まれる主要成分で繊維状のタンパク質の一種。多孔質なため、分子量の小さな空気や蒸気などは通すが、分子量の大きな水滴は通さず、そのため通気性や透湿性を保ちながら防水性も備えている。
同時に多孔質の異型断面構造となっていることから光を乱反射し、光沢を生み出す。さらに人体との親和性が高く、生体が馴染みやすく、細胞が再生しやすいという特性がある。
美容へのアプローチ
シルクフィブロインは吸脂性多孔質を持ち、体内の余分なコレステロール、脂肪を吸着し乳化した状態で体外に排出するはたらきがある。最近ではシルクフィブロインを利用したサプリメントなどの開発が進み、パウダー状のものから錠剤まで、さまざまな関連商品が市場に出回っている。
フィブロインの成分で最も多いグリシンは、コラーゲンや天然保湿因子の原料になる他、神経を静める作用、目覚めがよくなる作用、あるいはコレステロール値の抑制や免疫力の向上などのはたらきがあることが知られている。またアラニンは、グリシン同様、コラーゲンや天然保湿因子の原料になるほか、体内でエネルギーに変わるとともに、疲れにくく、肝機能をサポートするはたらき、体脂肪を分解するはたらきも認められている。
さらに生体に馴染みやすく、細胞が再生しやすいことから、生体適合性に優れたフィブロイン膜を使った人工皮膚なども研究されており、実用化も近いといわれている。