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ブドウのエラグ酸が脂肪を燃やす

赤ワインが脂肪燃焼効果を持つかもしれないという研究成果が2月5日、米オレゴン州立大学のサイトに掲載された。

同大学農業科学部の生化学・分子生物学者Neil Shay氏らは、マスカダインという種のブドウから発見された4つの天然成分を、実験室で増殖させたヒトの肝臓や脂肪細胞を曝露させた。その結果、既存の脂肪細胞の成長と新しくできる脂肪細胞の形成を劇的に遅らせる効果が示された。成分のうち、天然ポリフェノールの一種で美白効果でも知られる・エラグ酸が特に強力な効果を持っていた。

Shay氏は、「この成分は体重を減らすという効果は確認できなかった。しかし、脂肪を燃焼させることで、肥満者の肝機能を改善することができる」と述べ、「ブドウのような一般的な食品で脂肪の有害な蓄積を減らすことができればこれは良いニュースだ」としている。

Shay氏らはすでに2013年に高脂肪食を与えたマウスでの実験を実施している。この時はピノ・ノワールという種類のブドウを使い、人間換算で1日1.5カップのブドウ抽出成分を10週間与えた。その結果、ブドウ成分を与えていないマウスに比べ、与えたマウスでは肝臓での脂肪蓄積が少なく血糖値が低かった。

マスカダインは北アメリカ南部原産のブドウで、果実は3-5cmにもなり、皮は硬く厚い。一般的なブドウとは染色体が1本多い別の「属」。緑色のものと濃い紫(ぶどう色)のものがあり、フロリダなどではローカルなフルーツとしてスーパーでも売られている。日本でもここ数年で栽培が増加し、ワインやサプリメントなどに加工されている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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