これからの季節気になる「汗」。汗による体臭が、不快感だけではなく、「幸福感」も伝えているかもしれないという研究が4月16日、「Psychological Science」に掲載された。
「幸福」という感情は、その表情や声をまねることやジェスチャーなどによる視覚と聴覚によって相手に伝わることはよく知られている。
「幸福」はまた、化学信号（chemosignal：汗のほか涙などにも含まれるホルモンのような化学物質）によって、嗅覚からも伝わるという研究成果はいくつか発表されているが、決定的な証拠はまだない。
この化学信号は、主に否定的な感情を相手に伝えることで知られているが、オランダ・ユトレヒト大学のGün R. Semin氏らは、これが、肯定的な感情の伝達にも関与しているかどうかを検討した。その結果、幸福な状態にある人から収集した体臭は、これを嗅いだ人の幸福な顔の表情と、幸福を示す知覚情報処理が誘発されたことを確認した。この発見は、汗などによる体臭は、そのにおいを嗅いだ人にネガティブな影響を与えるだけではなく、「幸福」というポジティブな影響も伝えることを示唆している。
