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サメ軟骨とフカヒレが危ない

食用やサプリメントの材料に利用される「サメ」の汚染についての報告が8月16日、「Toxins」オンライン版に掲載された。

寿命が長い捕食者である「サメ」は、体内に海洋毒素や水銀を蓄積している可能性が高い。サメのひれ(フカヒレ)と軟骨には、藻の一種であるシアノバクテリアが産生する神経毒BMAA(β-メチルアミノ-L-アラニン)が含まれる。最近の研究ではフカヒレスープやサメ肉・軟骨製品の消費が、海洋毒素によるヒトへの曝露ルートであることが認められている。

今回のアメリカのマイアミ大学の研究者らによる調査は、南太平洋から太平洋にかけて生息する10種類のサメから、フカヒレと筋肉をサンプリングし、BMAAおよび水銀の濃度を測定した。BMAAは55検体すべてから検出され、そのうち基準値以下のものは7つだけだった。水銀は0.05から13.23ng/mgの範囲で検出された。水銀と神経毒BMAAの高い検出というこれらの結果から研究者らは、サメ肉とフカヒレの消費量制限の実施を示唆した。

BMAAの毒性に関しては、筋萎縮性側索硬化症(ALS)との関連が示唆されてきている。またここ数年で、BMAAとアルツハイマーとの強い関係が注目され、世界各国で研究がすすめられている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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