顔面神経麻痺手術、手術結果の客観的評価基準は不十分

最新商品

2018.07.5

国際部

顔面神経麻痺への手術治療に対する評価基準はさまざまなものが考案されているが、客観的尺度は存在しないことが6月21日、「JAMA Facial Plastic Surgery」オンラインに掲載された。顔面神経麻痺は、顔の半分または一部分の動きが麻痺する症状を指す。内耳や中耳の疾患、ヘルペス感染、ストレスなどとの関連が指摘されているが原因ははっきりしない。ほとんどの場合、自然治癒または薬物治療で快方に向かうが、まぶたの痙攣、口の動きとまぶたの共同運動、耳鳴りなどの後遺症が残る場合もあり、強度の後遺症の場合外科的治療が実施される。

今回の研究では、1970~2017年までの公開された顔面麻痺手術に関する論文を検索し、外科手術の客観的転帰の報告のシステマティック・レビューを実施。顔面中央部分の動きの再生を評価するための客観的手段の有無。その評価手段および結果の再現性、対称性、複数の変数による測定、妥当性などを確認した。その結果、対象となった241件の論文のうち、49件(20.3%)で1898人の患者の手術結果の客観的手段が存在した。客観的手段がある論文中29の異なる手段が認められ、すべての評価手段および結果の確認ができたのは3つのみだった。

術後に顔の動きが戻ったかを客観的に評価する手段は複数あるが、結果が報告されている論文は少なかった。顔面の動きの再生における客観的な結果を正確に比較するために、普遍的に適応できる評価手段が必要なことが示唆された。

#

↑