うま味成分の摂取が脳に影響し、健康な食生活を促すらしい

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2018.07.9

国際部

うま味(グルタミン酸)の摂取は、脳への影響を介して、健康な食生活を促進する可能性があるという報告が7月6日、アメリカ・ボストンにある病院Beth Israel Deaconess Medical Centerからプレスリリースされた。研究の詳細は「Neuropsychopharmacology」に掲載された。

100年以上前、当時の東京帝国大学理学部化学科教授池田菊苗博士が発見したうま味(英語表記はumami)。現在では、甘味、塩味、苦味、酸味とともに基本的な味のひとつと認められている。これまでの研究では、食前にうま味成分であるグルタミン酸ナトリウムを含んだブイヨンまたはスープを摂取すると、食欲と食物摂取量が減少することが明らかになっている。今回の研究では、グルタミン酸ナトリウム入りのチキンブロス(鶏がらと野菜を煮込んだスープの素で味付けはしていないもの)を摂取した健康な女性の脳の変化を評価した。脳の変化は、食事量の調整に影響する「抑制コントロール」を計測するコンピュータテスト、ビュッフェ形式の食事の際に目の動きを計測する特殊な眼鏡、食べ物を選ぶときの脳の働きを計測する機能的脳スキャンの3つの計測ツールを用いて実施した。

その結果、うま味の入ったチキンブロスを摂取した人で、食事量の抑制がよりよくされており、食事の際には目線が集中しており、食事量の自己調整に関連する脳領域の関与が高かった。また、肥満リスクが高い人では、食事中に飽和脂肪酸を摂取しなかったことも確認された。研究者らは今回の実験で、うま味成分の摂取が肥満リスクの高い女性の健康的な食事への有益な効果があることが再現できたとしている。

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