妊娠・出産歴は認知症リスクにプラスの影響?

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2018.08.3

国際部

シカゴで7月22〜26日に開催された2018年Alzheimer’s Association International Conference (AAIC) 2018(2018年アルツハイマー病協会国際会議)で女性の出産歴と認知症の発症リスクへの関連性について調査結果が報告された。

出産歴と認知症への発症リスクのさまざまな側面に関する米国初の大規模な疫学的調査の中で、パオラ・ヒルサンス博士(米カリフォルニア州オークランドのKaiser Permanente Northern California Division of Researchのスタッフ・サイエンティスト)、レイチェル・ウィットマー博士(カリフォルニア大学デービス校教授)らの研究チームは、認知症リスクと子供の数や流産の数、初潮時の年齢、自然閉経の年齢、生殖期(初潮と閉経の間の年数)との間の相互関係を発見した。研究チームは1964〜1973年の期間、40歳から55歳の女性1万4595人からの自己申告データを審査した。

研究チームは、「3人以上の子供を持つ治験対象女性が子供1人を持つ女性と比べ、認知症の発症リスクが12%低い」ことを発見した。これらの女性は、肥満度指数、脳卒中歴など、中年あるいは晩年の付加的なリスク要因を調整した後も認知症のリスクが低かった。

流産や月経歴についての調査では、流産の経験がある女性は流産の経験がないと女性と比べ、認知症の発症リスクが9%高くなった。

女性の初潮の平均年齢は13歳で、自然閉経の平均年齢は47歳。16歳以上で初潮を体験した女性は、初潮が13歳と報告した女性と比べ、31%も認知症の発症リスクが高かった。45歳未満で自然閉経を経験した女性は、45歳よりも後に自然閉経を経験した女性と比べ認知症リスクが28%高かった。

女性の生殖可能期間の平均年数は34年。生殖期が21〜30年の女性は、生殖期38〜44年の女性と比べ認知症リスクが33%も高いことがわかった。研究チームは、女性の生殖活動と脳の機構経路を評価するためにさらなる研究が必要としている。

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