中年女性の体重減少は将来の骨折リスクと関係
2018.09.6
国際部
骨粗鬆症研究(Study of Osteoporotic Fractures)の長期データから、女性の体重の減少と健康との関連を調査した結果が8月27日、「Journal of the American Geriatrics Society」オンラインに掲載された。
研究では、高齢女性(1986~88年の調査開始時に平均68歳)1323人を20年間追跡調査した。20年間にわたって平均8回の体重測定を実施し、ロジスティックおよびCox比例ハザードモデルを使用して、20年間の体重測定値の変化が股関節骨折、転倒、身体能力および死亡率に関連していたかどうかを評価した。
年齢、カルシウム摂取、歩行速度などで調整後のモデルで、20年間で9kg未満の体重減少があった女性は、死亡リスクが74%大きく、股関節骨折リスクが約2倍高かった。80歳以上の高齢女性では、それ以前の60歳代からの20年で中程度の体重減少(9kg未満)は、股関節骨折、身体機能低下、死亡の各リスクと関連していた。しかし、体重減少と転倒リスクには関連はなかった。今後の研究では、体重減少の原因が自発的なダイエットによるものか、自然な現象なのかを区別することが必要と示唆された。