花王、加齢による不快な口臭の原因を解明

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2018.10.1

編集部

花王株式会社(東京都中央区)はこのほど、加齢による不快な口臭の原因を解明したと発表した。具体的には、不快成分のスカトールと舌に生息するFn菌が関連していることがわかった。

口腔トラブルの中でも、消費者の悩みが深いのが「口臭」。同社の調査によると、年齢によって口臭が変化しているとの意見が多い。しかし、加齢と口臭の不快さに関連する口気成分の関係、また、加齢と口腔状態の変化の関係については、これまで明らかにされていなかった。

そこで、同社は加齢とともに口臭が不快になる原因を明らかにするため、口臭の不快さに関連する口気成分とその産生機序について研究を行った。

研究では、まず、加齢にともなう口臭の不快さとそれに関連する口気成分を調べた。その結果、加齢により、口臭の不快さ(官能評価値)が有意に増加し、検出・定量可能であった口気成分18種類の中で、スカトールのみが加齢により有意に増加することを確認した。

また、主要な口気成分濃度と口腔状態との関連性について相関分析を行ったところ、スカトールを含む5種類の口気成分と舌苔の付着状態(WTCI)との間に高い相関が認められた。スカトールの濃度は、舌苔の付着状態と関連していることがわかった。

さらに、口臭は主に口腔内細菌が産生する揮発成分によって構成されていることから、口臭の不快さと舌苔中の細菌との関連性を調べた。

その結果、スカトール濃度はさまざまな細菌の構成比率と相関したが、なかでもFn菌の構成比率と最も高く相関することがわかった。

Fn菌は、口臭や歯周病に関連する細菌のひとつとして知られ、細菌の集合体(共凝集)を形成する際の細菌同士の橋かけ的な役割を担う細菌として知られている。そこで、舌苔を構成する細菌の中からFn菌構成比率の高い群(High)、中程度の群(Middle)、低い群(Low)の3群(各n=23)に分けた層別解析を行ったところ、Fn菌の構成比率の増加にともない、スカトール濃度が増加することがわかった。

参考リンク
花王株式会社

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