米国FDAからの紅麹サプリメントの有害事象報告
2018.12.6
国際部
紅麹サプリメントによる副作用の検討を目的とした調査の報告が「Drug Safety」8月号に掲載された。
紅麹は天然のスタチンを含み、「血中コレステロールを正常にする」効果を謳うサプリメントに用いられている。薬剤よりも自然成分を好む人や、スタチンで効果が出ない人などへの使用で注目されている。一方、筋・肝障害などの有害な副作用報告もなされている。
アメリカで実施されたこの調査では、米国の食品医薬品局(FDA)に報告された医薬品に関する副作用についての情報を集積したデータベースであるFDA有害事象報告システムからは1300件の有害事象が抽出されたが、サプリメントの監視ツールの一つである国立公衆衛生情報科学センター・食品有害事象報告システム (CAERS)からはわずか159件の有害事象が抽出されたのみだった。重篤例の報告は、FAERSで5例の肝障害、CAERSで27例の横紋筋融解症/筋障害の27例だった。
研究者らは、紅麹サプリメントの副作用について、複数の有害事象報告を参照すべきとし、紅麹の効果・安全性についての調査を政府機関主導で実施することを提案している。