肥満の母から生まれた子供は若死しやすい?

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2013.08.16

編集部

肥満の母親から生まれた子供は若年死亡率が高いという研究論文が14日、BMJ(イギリス医師会雑誌)オンライン版に掲載された。

英国のスコットランドにおけるこの研究では、1950年から現在までの出生記録を持つ3万7709人を対象に、31-61歳における死亡や入院を調査したもの。母親のBMI(体格指数)は、初回の産科受診時に測定した身長・体重から算出した。

その結果、出産時の母体年齢や経済的状況などで調整した後も正常BMIの母親に比べて、肥満の母親(BMI>30)から生まれた子どもの死亡率は1.3倍高かった。心血管関連の疾患による入院リスクも、肥満の母親から生まれた子どもで1.29倍高かった。研究者らは、母体の肥満は子どもの若年死亡率増加と関連し、英国女性の5人に1人は産科受診予約時に肥満であることから、妊娠前の体重調整戦略が急務であると述べている。

日本では、成人では肥満が問題となっているが、出生時体重は年々減少している。これは妊婦の栄養不足と見られており、特に20-30代を中心とした妊娠・出産期にある女性にダイエットが流行、過剰な食事制限の影響で、胎児の栄養不足につながったという。

「小さく産んで、大きく育てる」と言われた時代もあったが、近年注目されているBarker説では、胎生期から乳幼児期の栄養環境が、成人期または老年期の生活習慣病発症リスクに影響するという。具体的には、出生時体重が少ない子供は大人になってから、肥満・高血圧・2型糖尿病などのメタボリックシンドロームに罹患しやすくなる。

妊婦のBMIについては特に推奨値はないが、「ふつうBMI値」である18.5以上25.0未満が目安となるようだ。

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