オリーブ工場排水抽出物が皮膚細胞に好影響

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2019.05.15

国際部

オリーブ工場排水の化粧品への利用を考察した論文が5月7日、「Cosmetics」オンラインに掲載された。化粧品としてまた健康に良いことで関心が高い地中海式食事の中心食材としても世界的に需要が高まっているオリーブとその加工品(オリーブオイルなど)は、その人間に与える影響に関する調査研究も精力的に行われている。

研究者らが注目したオリーブ加工工場排水は、オリーブの健康成分のひとつであるポリフェノールを多く含んでいる。資源の有効利用および廃棄費用削減の意味からも、この排水の有効利用を考えた。今回は、ポリフェノールの抗炎症作用、抗微生物作用、抗酸化作用、潜在的な化学予防作用などの健康増進効果に着目し、皮膚用途に非常に有望であると考えた。オリーブ工場排水の皮膚への適用に関しては、化粧品への応用のために調査し、in vivoでその保湿性を示した先行研究がある。そこで今回は、細胞の生存率および増殖、ならびにHaCaT細胞(ヒト表皮細胞株)に対するオリーブ工場排水抽出物の抗炎症性および抗酸化性を評価した。さまざまな微生物の増殖への影響も調べた。さらに、正常ヒト表皮ケラチノサイト(NHEK)およびヒトメラノーマ細胞に対する効果を腫瘍浸潤皮膚モデルにおいて確認した。

その結果、オリーブ工場排水抽出物は優れた抗菌活性を示した。さらに、HaCaT細胞における活性酸素種形成ならびにインターロイキン-8放出の顕著な減少が観察された。最後に、黒色腫皮膚モデルでは黒色腫結節の増殖抑制も示された。これらの結果から、オリーブ工場排水抽出物が皮膚の健康および保護力を改善し、皮膚の老化に好ましい抑制効果を与えることが確認でき、皮膚用化粧品として有望な成分であることが示された。

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