妊娠中のフッ化水道水曝露と子どものIQ低下が関連か

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2019.08.21

国際部

妊娠中女性のフッ化物曝露と産児の知能との関連を調査した結果が819日、「JAMA Pediatrics」オンラインに掲載された。

最近フッ化物の潜在的な神経毒性により、虫歯予防を目的とした水道水フッ素化の是非が問われるようになった。今回の研究では、妊娠中のフッ化物曝露と子どものIQスコアとの関連をカナダの出産予定コホートで調査した。調査はカナダの主要6都市から募集された601組の母子ペアが対象。子どもは200812年の出生で、34歳の間に知能テストを受け、データは201719年に分析された。対象者のうち41%がフッ素化された水道水が供給される地域に住んでいた。

512組で分析が完了した。非フッ素化水と比較してフッ素化水道水の地域に住んでいる女性は、フッ化物摂取レベルおよび尿中フッ素濃度が有意に高かった。子どもの平均IQスコアは107.16で、女児109.6、男児104.56と女子の方が高かった。子供の性別と妊娠中尿中フッ素濃度に有意な相互作用があり、IQの男女差にも関連していると考えられた。妊娠中尿中フッ素濃度の1 mg/Lの増加は、男児では4.49ポイント低いIQスコアと関連していたが、女子ではIQスコアと統計的に有意な関連はなかった。妊娠中の女性の1日当たりフッ化物摂取量が1 mg多いと、男児・女児共にIQスコアが3.66低くなった。

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