食物繊維とヨーグルトに肺がんリスク低下効果
2019.11.6
国際部
腸の健康に良いとされる食物繊維とヨーグルトが肺がんリスクも低下させるという研究論文が10月24日、「JAMA Oncology」オンラインに掲載された。
食物繊維(プレバイオティクス)とヨーグルト(プロバイオティクス)は、腸内微生物叢と代謝経路を調節し、健康上の利点をもたらすことが知られている。今回の研究では、健康上の利点の中でも肺がんとの関連を調査した。
米国、欧州、およびアジアで実施された前向きコホート研究からの1 44万5 850人のデータを対象に、食物繊維およびヨーグルト摂取に関連する肺がんリスクをプール解析で検討した。中央値8.6年の追跡期間中に、1万8822件の肺癌症例が確認された。喫煙状況とその他の肺がん危険因子で調整後、食物繊維とヨーグルトの摂取量はどちらも肺がんリスクと逆相関を示し、この関連は非喫煙者で有意だった。ヨーグルト摂取量高値の食物繊維摂取量最高5分位群はヨーグルト非摂取の食物繊維摂取量最低5分位群に比べて、肺がんリスクが30%以上低く、相乗効果の可能性が示された。研究者らは、肺の発がんに対するプレバイオティクスとプロバイオティクスの潜在的な保護的役割を示唆している。