年齢に関わらず肥満手術の結果は同等
2020.02.5
国際部
Roux-en-Y胃バイパス術後10年の結果を、施術時の患者の年齢で比較した結果が2月1日「Obesity Surgery」オンラインに掲載された。
高齢患者の肥満手術に関するデータは矛盾が多く、長期的な大規模研究は利用できない状況である。今回の研究では、Roux-en-Y胃バイパス(RYGB)施術時の年齢と、患者の体重減少量、代謝結果、および生活の質に関する長期結果を調査した。1999~2007年に最初のRYGBを受けた患者820人を対象とし、そのうち80.6%の患者で10年間の追跡調査の結果が入手可能だった。施術時の年齢をA(40歳未満)、B(40~54歳)、C(55歳以上)の3つのグループに分け、手術の結果を比較した。
グループC(全患者の11%)は他のグループと比べ有意に多くの併存疾患を有していたが、グループ間で術後の罹患率と死亡率に差はなかった。術後7年目まではグループCの体重減少が有意に少なかったが、その後、差はなかった。 A、B、Cグループの10年間の体重の総減量はそれぞれ32.2kg、32.9kg、32.3kgだった。10年後、血糖コントロールと脂質プロファイルは全グループで同様に改善し、糖尿病と高血圧の部分的または完全な寛解率は同等だった。生活の質は、すべての患者で有意な改善を示し、グループ間差はなかった。