肥満手術前の減量で死亡減少の可能性
2020.05.21
国際部
肥満手術の前にはわずかな減量であっても死亡リスクの減少と関連するという研究結果が5月14日、「JAMA Network Open」オンラインに掲載された。
現在のガイドラインでは、肥満手術前の減量はその利点に関する科学的サポートがないため、術前の減量は必要ないとされている。今回の研究では、肥満手術前の体格指数(BMI)と体重減少が術後30日死亡率と関連しているかを調査した。調査対象は、米国およびカナダで実施された肥満手術の90%以上を登録した2015~17年の品質改善プログラム(対象患者48万75人)とした。
肥満手術から30日以内に511人の死亡(0.1%)が発生した。術前BMIが35.0~39.9の患者と比較して、術前BMIが40.0~44.9、45.0~49.9、50.0~54.9、55.0以上の患者の30日間死亡率の多変数調整オッズ比はそれぞれ1.37、2.19、2.61、および5.03で、術前BMIの高さと死亡率の高さが比例していた。研究者らは「これらの調査結果は、肥満手術に関する臨床ガイドラインの将来の更新を通知するのに役立つ」と述べている。