食品の栄養ラベル Nutri-Scoreの使用がヨーロッパで広がる

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2020.10.27

国際部

食品の栄養ラベル Nutri-Score(ニュートリスコア)の研究結果がこのほど発表され、今後、ヨーロッパ諸国での導入が進みそうだ。同スコアは、フランスで2017年に正式に採用された栄養評価で、エネルギー、飽和脂肪、砂糖、ナトリウム、タンパク質、繊維などの含有量に基づいて食品の栄養品質を格付けするシステム。栄養価の高いものから、緑(A)、黄緑(B)、黄色(C)、オレンジ(D)、赤(E)の5段階で表示される。

今回、BMJ(イギリス医師会雑誌)のオンライン(9月16日)で、 栄養品質スコアの低い食品を食べると、心臓、肺、消化器系の疾患による死亡率が高くなるという研究結果が発表された。 英食品基準庁の栄養素プロファイリングシステムの研究チームが、ヨーロッパの癌と栄養に関する調査(EPIC)研究に参加していた欧州10か国の501,594人の成人(平均年齢52歳)の平均17年間のデータを追跡調査した。 絶対的には、10年間で10,000人あたりのすべての原因により死亡した人数は、栄養価が最も低いスコア(赤色)で男性(1,237人)、女性(563人)で、栄養価の最も高いスコア(緑色)で男性(1,008人)、女性(518人)だった。

ニュートリスコアを採用している国は、現在、フランスのほか、ベルギー、スペイン、ドイツ、オランダ、ルクセンブルク、スイスの計7カ国。食品大手のネスレ、ケロッグ、ペプシコなどは、自主的に選定されたヨーロッパ諸国でラベル表示に乗り出している。

今回の調査で原因を特定することはできず、 他の測定されていない要因(残留交絡)が結果に影響した可能性は排除できないが、シンプルで明確な栄養情報を食品パッケージに付けることは、心臓病、癌、糖尿病など伝染しない疾病予防のために消費者がより健康的な選択を奨励するため役立つと研究グループは支援している。

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