新ドライアイ点眼剤、第4相試験の結果良好
2020.11.4
国際部
ナノサイズの液滴による潤滑剤点眼薬単回投与でドライアイ改善を報告した第4相試験の結果が10月9日、「Clinical Ophthalmology」オンラインに掲載された。
今回の試験では、プロピレングリコール-ヒドロキシプロピルグアー(PG-HPG)ナノエマルジョン(Systane®Complete)潤滑剤点眼薬を1滴滴下した後のドライアイ(DED)患者の症状緩和の評価を実施した。対象はドライアイ患者134人(平均年齢:56.6歳;女性:75.4%)。患者は1日目に各眼にPG-HPGを1滴点眼した。エンドポイントには、ドライアイ症状のベースラインからの変化と、点眼後0、4、および8時間後の鎮静感覚スコアが含まれた。症状スコアは症状なしの0から、最悪の状態を指す10の段階的スケールで評価された。点眼液の忍容性は、点眼後1日目の評価スコアとドライアイのサブタイプに基づいて評価された。
その結果、ドライアイ症状スコア変化の中央値は点眼0時間後-1.0、4時間後-2.0、および8時間後-2.0だった。サブグループ分析では、ドライアイ症状スコアのベースラインからの変化の中央値が、水分不足型および蒸発型サブタイプで-2、混合型で-1だった。鎮静感覚スコアの中央値は、0時間後と4時間後で3、8時間後で3.5だった。忍容性評価スコアの中央値は、灼熱感、刺痛感、ぼやけ感で0、異物感でも0だった。研究者らは「PG-HPGナノエマルジョンが単回投与後即時および8時間も持続的な症状の緩和をもたらし、各評価スケールでの反応によって十分に許容されるものであることが示された」と述べている。