竹から化粧品の美容成分を抽出 産学連携プロジェクトで研究開発進む
2021.08.12
編集部
美容成分の開発・製造や通販化粧品などを手がける三省(さんしょう)製薬株式会社(福岡県大野城市/代表取締役社長:陣内宏行)は8月2日、同社と九州工業大学(福岡県北九州市/学長:尾家祐二)の産学連携プロジェクト「竹を原材料にした化粧品の美容成分」抽出研究の進捗状況を公開した。
同プロジェクトは、竹の表皮を削り取った後の竹の「幹」部分から、段階的に「化粧品の美容成分」や「電気自動車用の蓄電デバイスの電極材料」を製造・事業化することを目指すもの。
「化粧品の美容成分」については三省製薬が研究開発を担当し、「電極材料」については九州工業大学が担当している。
美容成分についての研究スキームは次のとおりだ。
①三省製薬が竹幹の加圧熱水処理を行い、竹の中のヘミセルロース(水不溶性多糖類)をオリゴ糖に変換した水溶液を作製。
②その水溶液からオリゴ糖の一種であるキシロオリゴ糖を抽出し、美容成分への応用と化粧品への製品化に向けた研究開発を行う。
この過程のなかで、竹幹の粉を180~200℃で加圧熱水処理することにより、ヘミセルロースの大部分は、「保湿性」を有するキシロオリゴ糖を主成分とした低分子物として回収できることがわかった。